#266 MAD MAX
「ねえ、播磨君! どこ行くの!?」
「黙ってろ! 舌噛むぞ!」
「困るよ、私……」
「空港に向かってんだよ!」
「え!? 空港っ? まさか……烏丸君!?」
「………」
「………やだよ!! 私行きたくない!!」
「………」
「私を烏丸君に会わせてくれようとしてるの? いいよ、大丈夫だよ!
ねえ、播磨君聞いてる!? ストップ! ストーーーップ!!」
塚本家、前。
八雲、道端に落ちている花束を見つける。
(播磨さん…。また自分の気持ちを落として行って……)
三人娘「「空港へ向かった!?」」
八雲「はい。おそらく……」
美琴「あンのバカ! まさかとは思ったが…」
八雲「そんな、播磨さんは一生懸命……」
愛理「あのね、八雲。あのヒゲがチケット用意してると思う?」
晶「播磨君のフトコロで、空港でチケットが買える?」
美琴「ぜったい都内で電車感覚だぞ!」
八雲「………!!」
美琴「どれだけ気張っても、空港で全部台無しになっちまうかもしれねえ!」
播磨「あの、スンマセン」
播磨、並行するライダーに尋ねる。
播磨「アメリカ行くには、羽田と成田どっち行けばいいっすかね?」
ライダー「えっ、いや、国際線なら成田じゃないかな」
播磨「そうっすか。助かったっす」
天満「助けて! 人さらいっっ」
播磨「はっはっはっ。妹っす!」
ライダー「………」
播磨(くそ。アメリカって二万ぐらいで行けんのか?)
天満「おろしてーー!」
播磨(つーか、なんで俺はこんなことしてんだ?)
そんとき。
『そこの二人乗りバイク、すぐに停車しなさい』
背後から迫るパトカー。
播磨(くそっ。この忙しいときに!)
振り切ろうとするが、後部席には天満が………
播磨(ここまでなのか―――?)
と、そこへ。
「ハッハッハッハッ。ジャパニーズポリスは優秀だな! だがそこまでだ!」
現れたのはサイドカーに乗ったハリーと東郷兄。
二人ともノーヘル。東郷兄は側車の上で腕組みして直立。
警官『な! 何をやっとるんだ君らは!?』
ハリー、播磨のバイクの横に並ぶ。
播磨「………!」
ハリー「なんでここに、って顔だな」
東郷兄「男は仲間のピンチに敏感なのさ!」
ハリー「――と言いたいところだが、実はアキラから連絡があってね。
君たちを助けてやってくれ、と」
天満「えっ?」
ハリー「あとエリがチケットの用意、ミコトとヤクモは荷作りを―――」
天満「晶ちゃんたちが……? どうして?」
ハリー「さあね」
迫るパトカー。
ハリー「おっと。お喋りはここまでのようだ。行くんだ」
播磨「助かる!」
天満「なんで? どうして、みんな………。私はもう………」
播磨「塚本!」
天満「え?」
播磨「空港に入った! 死んでも手ぇ離すなよ!!」
天満「えっ、わっ、わーーーーーー!」
つづく。
補足:天満は袋から出てダウンみたいなのを着てる。
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播磨同学最终还是选择了当好人。。