引用
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和青春巧克力比就是渣啊渣
五千四百七十八回。
これは、大橋賢三が生まれてから十七年間に行なった、ある行為の数である。
ある行為とは、俗にマスターベーション、訳すなら自慰、つまりオナニーのことである。
彼が最初にその行為を「発見」したのは、今からちょうど五年前、まだポコチンに毛もはえぬ……もとい……清らかなる若き女性読者諸君は御存知ないかもしれない、ポコチン自体には毛ははえない。正確にいうなら、ポコチンの周りにまだ一本の毛もはえていなかった小学六年生の頃だ。これもまた女性読者諸君は知る由もないことだが、彼もまた多くの少年たち同様、「偶然」という名の恐るべき必然に導かれてその行為を発見した。
その頃、幼き大橋賢三のヘソ下三寸、その内部三寸のあたりに、ポチンと赤く光る球体が息吹きを始めていた。
それこそがリビドー、性欲、つまりはスケベーの目覚めだったのである。
そいつはあたかもウルトラマンのカラータイマーのごとく、学校で女子同級生のブルマー姿を見た時だとか、「健康的なお色気」という見事に矛盾したキャッチフレーズで当時異常な人気のあったピンク・レディーの「これでもか! これでもか!」といわんばかりなゴンヌズバー大開脚ダンスなんかを目前にすると、ピコピコと点滅を始め、ダイレクトにその刺激を彼の脳髄とポコチンに送り込むのだ。そうなるともう彼はいかんともしがたく、それが自宅であったならスッ飛んで「勉強部屋」と名づけられた、物置きを改造した一畳半の彼のアジトへ駆け入り、燃えるゴミの日に廃品回収場所からひそかに拾ってきた、捨てられてあった平凡パンチの「鮮烈! 由美かおる衝撃ヌード!」を火の点くほど見つめるのだ。
「しかし、この由美かおるという人も変わらんなあ。オレが子供の頃からグラビアやってたぞお」
そんなことをまだ子供の賢三は思いつつ、じっとかおるのたおやかなオッパイや、これでセックス嫌いつったらわしゃホンマ怒るでぇと関西オヤジが言いそうな赤いポッテリとした唇をさらに見つめるのだ。
しばらくのち、ため息をついて彼は平凡パンチを閉じた。飽きたのだ。スケベーにではない。由美かおるにだ。由美かおるでは何かこうガツーン! とくるもんがない。賢三は棚の上から秘蔵の少年マガジンを抜き出した。篠山紀信撮り下ろし石野真子衝撃初水着グラビアを見るためだ。賢三はその頃デビューしたてのこの新人アイドルに夢中だった。まだ幼さの残る、といっても小学生の賢三にとっては十分に大人な彼女の水着写真は、飽くことなく彼を幻惑させる魔法の数ページだった。何度開いても、真子はかおると違い彼を深きエロスの世界へと誘うのだ。だからそのグラビアを掲載した少年マガジンは宝物であり、信心深きキリシタンにとってのバイブル程に重き書物なのだ。聖なる少年マガジンを開き、ポテトチップスを食べようと賢三は再び腰を上げた。
その時……だ。
偶然……いや、やはり必然にして彼のポコチンのあたりが、コクヨ・スタディデスクの角っこにあたったのだ。
「あ、なんか……いい」
真子の魔力によって熱く燃える彼のポコチンが、確かにそう言った。そしてその言葉は一字一句違わず彼の口から彼の声として発せられた。
「な、なんか……あれ?」
偶然……いや完全に自発的に彼は腰を動かし、角っこにポコチンをスリスリしてみた。
「あ……あれ……いい……いいなあ」
今や甘美なる赤き花がボカーンと燃えて、賢三のポコチンをポコポコチンチンと、快感という名の下に支配していた。
「あぅあううう」
自分でも情けないと思いつつ、種馬のごとくさらに早く激しく腰をグラインドさせる賢三、彼の心を察して黙して語らぬコクヨ・スタディデスクの角っこ。一人と一個の物体がジャズのスウィングよろしく絡み合いせめぎ合い、今まさに賢三は高き山の頂に達した。
「あっ……うぐぐっ!」
……失禁してしまった……賢三はそう思った。快感が極まった瞬間、今までに体験したことのない、爆発のような感覚がポコチン本体を襲ったのだ。脳の奥、そして全身にゆっくりと広がった謎の超感覚は、まったく初めてのものだった。しいていえば、こらえにこらえた末の「おもらし」の感じによく似ていた。それで彼は、快感のあまり自分で失禁してしまったと思ったわけだ。
「もうじき中学生だっつーのにこのオレはおもらしをしちまった!」
深く悔い、ポコチンのあたりを触れてみれば、意外にも湿ってはいなかった。
「これは一体……!?」
まだじんわり残る快感の波動に身を震わせながら、真昼の幽霊にでもあったように、賢三はしばらく呆然としたのであった。
真昼の幽霊の正体を「それはエクスタシーというものだ」と教えてくれる者はいなかった。なにしろ彼は超感覚について仲のよい友人にも語らなかった。説明のしようがなかった。自分だけの秘密にもしておきたかったし、もしかしたら自分は何かの病気なんじゃなかろうかという不安もあった。
いずれにしろ、超感覚「真昼の幽霊」がヒジョーにヒジョーに気持ちがいいということだけは事実として認識した。
賢三は超感覚を再体験すべく、少年マガジンを頼りに、コクヨ・スタディデスクの角を用いて果敢にチャレンジした。ある程度のテンションと時間さえあれば超感覚は確実に味わえることが何度かの実験で判明した。さらに彼が自らの肉体をさらして行なった実験の結果、コクヨ・スタディデスクの角を用いずとも、より有効に短時間のうちに超感覚を得る手段があることに気づいた。
賢三はこの研究に関してはアインシュタイン、ホーキング以上にストイックで、貪欲であったかもしれない。
よりよき方法、つまり、ポコチンに直接自分の手を使い刺激を与えるまさに「手法」は、例えるならダーウィンの進化論によく似ているだろう。彼の「手法」もまた進化の道をたどったのだ。
大橋賢三オナニー その「手法」の進化
一、コクヨ期
まだ賢三は「手」を使用することを知らず、コクヨの勉強机を用いるという、大変原始的な手段を取っていた。これは人類がまだ猿に近く、やっと立って歩けるという状態のラマピテクス期といえるだろう。
二、タタ期
賢三は机を捨て、ついに「手」を用いる技術を身につけた。最も原始的な人類となった猿人期である。この時、まだ賢三は手の用い方を誤っていた。彼はさかんに自らのポコチンを「叩いた」のである。名づけてタタ期。シャレだ。スマン。
三、回転期
賢三はある日「叩くとやっぱ痛いなあ」という恐るべき事実に気づく。人類が骨を武器とすることに気づいた原人期。『二〇〇一年宇宙の旅』のオープニングのように。次に、賢三は何とポコチンの包皮をつまみ、グイッとねじるという荒行にも似た技術を発見する。過渡期だね。
四、摩擦期
そして彼はついについに発明する。「手」を用い、ポコチン本体を上下に摩擦する「正攻法」の発見。人類のあけぼのである。ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする、アーチャカポコチャカポコ、である。
「人に歴史あり」とはよくいったものだ。こうして紆余曲折の末に正調オナニーを独学で手に入れた彼は、中学入学とほぼ同時に精通も始まり、それから高校二年の今日に至るまで一日三回、一年で一千九十五回、かけることの五年。うるう年を入れて、合わせて五千四百七十八回、超感覚を味わうため日夜ポコチンと共に戦ってきたのだ。
女性読者諸君は彼を軽蔑するだろうか? 男なら、大半の男なら賛同してくれると思うのだが、最もスケベーの盛り上がりが高く、さらにその発散となる対象が最も手に入りにくい十代のモンモン野郎たちの回数としては、それ程多い数字ではない。少ないとはいわないが、賢三ぐらいのオナニストならそれこそ掃いて捨てるぐらいにはいる。
嘘だ、信じられないと思うなら、試しに貴女の彼氏に聞いてみるとよい。
その時「僕は一度たりともそんな行為をしたことがない」と語るような男は、過去に父と母を殺し、常習の麻薬中毒で結婚サギ師の大ウソつきに違いないから、悪いことはいわない、すぐに別れるべし。
「バカ、そんなにやるかよぉ、アッハッハ」
大方の男はそう言って笑いとばすだろう。しかし貴女よ、見逃してはならない。笑いながら彼の目がほんの一瞬だけ哀しげに潤むはずだ。それこそ彼が昔一日三回のオナニストであった証拠に他ならない。
彼の哀しげな目つきは、十代の頃のつらくわびしい、さみしいオナニー野郎時代の自分をフッと思い出してのものなのだから……。