引用
最初由 Archimonde 发布
【信頼】
『撃てるものなら撃ってみろ!流体サクラダイトをなっ!』
『貴様っ!』
クラスメイト、そして親友だったはずの二人がにらみ合う。スザクはゼロ……いや、ルルーシュに銃口を向けたまま動かそうとしない。スザクの指先があと数ミリ動くだけでゼロの命が奪える状況だというのに、私はショックを受けたままその光景がいつまでたっても現実として受け入れられないでいた。
考える時間などありはしない。数秒後にはゼロの……ルルーシュの命はこの世界から消えてしまうかもしれない。いや、それどころかルルーシュの言葉が真実であるのなら、スザクが引き金を引いた直後にはスザクも、そして私もこの世界にその痕跡を何も残さず消えてしまう。
だけど、この一瞬で必死に考える。ゼロがルルーシュだと知った瞬間、私は思わず『私たちを利用したの?』と責めるように問いかけをしてしまった。そのことに対してルルーシュは私の言葉を肯定するような答えを返してきた。否定してほしかった……だけど、その答えは私の期待するものではなく……私はその言葉に酷くショックを感じてしまった。今まで信じていたのにと騙されていたことが悲しかった……だけど、今この追いつめられている状況だというのに逆に冷静になった頭が『本当にそうなの?』と問い返してくる。ルルーシュは本当に私たちを利用しただけ?……と。
そう、ゼロは一度も言わなかったはずだ。
ゼロは……ルルーシュは、一度だって日本人のために日本を解放するために戦うなんて言ってない。
ゼロは日本人でないことは私も知っていた。それに、彼は『ブリタニアを倒す』とは言っていたが『日本を解放するためにブリタニアを倒す』と一度も言っていない。 ブリタニアを倒すための戦いの中で結果を出し続け、その過程の中で『合衆国・日本』は実現できるところまでこぎ着けていた。
だけどゼロはこの大事なときにその場からいなくなってしまった。混乱した私に扇さんが『ゼロの行動に意味がある』と……その意味は……そう、ゼロは、ルルーシュは言ってたじゃない。恐らく自分の命もすべてを投げ捨ててでもいい存在がどういう事態に追い込まれているのかを……。
『お前にギアスを教えたのは誰だ!そいつとナナリーは!』
『ここから先のことはお前には関係ない!』
そう……ナナリー。ルルーシュはなによりも妹のナナリーを大事にしていた。生徒会での歓迎会でナナリーを見守るルルーシュに暖かいものを感じたのは嘘じゃない……そのルルーシュはさっきスザクに何を言った?確か『ナナリーがさらわれた』と言ったはず……ああ、だからだ……ゼロは決して神じゃなかった。
ゼロにも大事なものがあって、その大事なもののために戦っていて、そのついでに私たちの目的をかなえてくれてただけで……ゼロにとって、ルルーシュにとって一番大切なものはナナリーで、だからゼロはなにより大事なものを守ろうとしてこの島に来たんだ。
すべてを捨ててまで妹を守ろうとする兄……ゼロに騙されていたと思って引いていた血の気が戻ってくる。
扇さんは私になんて言った?
『助けるんだゼロを……直人の夢を継ぐ者を……』
ルルーシュはお兄ちゃんじゃない……だから、扇さんも『直人を継ぐ者を助けろ』と言わなかった。ルルーシュにとって、日本を解放することは目的のついでかもしれないが、お兄ちゃんの夢は『以前の家族みんなが平和に暮らせる世界を取り戻す』ことだったはず。それを実現できるのは、ゼロだけ……お兄ちゃんの夢の終着点が、ルルーシュにとっては途中停車駅でしかなかっただけじゃない。決してルルーシュは、ゼロは私たちを騙していたわけじゃない。確かに私たちを利用はしていたかもしれないけど、その代わり私たちの夢を実現させてくれようとしてたじゃない……そうよ!
今さら言われなくても……私は彼、ゼロと共にと誓った。そのゼロが、今目の前で自分の命を賭けの材料に使ってまで、ナナリーを助けるために必死になっている。だから私は……ゼロの、ルルーシュの存在しか目に入っていない無防備なスザクの背中になんのためらいもなく銃口を向ける。
『スザク!』
『ルルーシュ!』
緊迫した空間を引き裂くようにお互いの名前を叫ぶルルーシュとスザク、私はその瞬間迷い無く引き金を引く。そして、スザクとルルーシュがお互いに向けた銃口からではなく、私の手の中にあった銃が一発の銃声と共に真っ白なパイロットスーツの背中から胸を貫く銃弾を撃ちだしていた。
まるでスローモーションのように飛んでいく銃弾がスザクの背中に吸い込まれ、そのままの勢いでスザクの身体を弾き飛ばす。
どさっという人が無抵抗に倒れた音がして、そのまま静寂に包まれる。
私は銃を構えたまま、動けないでいた。ほんのわずかな時間で多くのことを考え、そしてその時間の中でベストの結論を選んだ……はず。さっきまでスザクとルルーシュの声がうるさいくらいに響いていたのに、たった一発の銃声がこの空間に静寂をもたらし、私はその静寂に満ちた空間の中で何も考えることができないでいた。そのままの姿勢で何秒、何十秒、何分……その場に銃を構えたまま立ちすくんでいたのかまったく覚えていない。
「カレン……」
「……あ、ゼ、ルルーシュ……」
我に返ったときにはいつの間にかゼロが……ルルーシュが目の前にいた。今までに見たことのない複雑な表情をしていた……だけど、その表情の中から読み取れたのは、どうして助けたんだ?という戸惑いの気持ちだった。
ルルーシュは、固まったままだった私の手の中にある銃を手から取る、そしてセイフティをかけると私へと差し出す。
「……」
「……」
どれだけ見つめ合っていたのか、おそらくほんの数秒だったはずだ。ルルーシュは戸惑いの表情を押しとどめると、私へ強い視線を向ける。
「ナナリーがさらわれた……手を、貸してくれないか?」
「……」
スザクへはナナリーを助けること当然のように手伝ってくれるはずだというように言っていたルルーシュだったが、私には不安そうに聞いてくる。スザクとルルーシュの信頼関係を考えると、私とルルーシュの信頼関係は無いに等しいものだったかもしれない。だけど、ゼロへ向けられた私たちの信頼感は私たちの一方通行だったかもしれないけれど決して負けているとは思わない。
「当然です。私はあなたの親衛隊長なんですよ。ゼロを脅かすすべてのものから守るのは私の仕事です」
「……」
「だからナナリーちゃんを早く助けに行きましょう、ゼロ!」
私はゼロの手を取ると、外に置いたままの紅蓮弐式へと向かう。人の力ではあの扉が開くようには見えなかったからだ。
置き去りにされたままのスザク……一発で心臓を貫いたわけじゃない、動くことはできないが早く救助されれば命を落とすことはないだろう。運が良ければ……。
ルルーシュは私に腕を引かれるままについてくる。私の仕事はゼロがなんの憂いもなく、その手腕を発揮するための障害を排除すること……だから、今ゼロの心を占めていることが『ナナリーちゃんの安否』であるというのならば、なによりもまずナナリーちゃんを助けなければ……ゼロがルルーシュだったことなんて些細なことに過ぎない。
ただ私に嘘をついていたことだけは感情的に許せそうにない……だから……。
「ゼロ、すべてが終わったら……ナナリーちゃんも日本も私たちの手に取り戻したら……お願いがあります」
「なんだ……」
「ルルーシュを一発だけ思いきり叩かせてください」
数秒の沈黙……そして、毅然と返された返事は。
「ああ、いいだろう」
「ありがとうございます。ゼロ」
忠誠も誓いも信頼も変わらない……私はゼロと共に歩むことを決めたんじゃない。もう迷うこともない……。
私は、ゼロ直属の零番隊隊長の紅月カレン……ゼロがゼロである限り、その正体がルルーシュであっても関係ない。
そして目の前に紅蓮弐式が見えてきた。私は紅蓮弐式の前でルルーシュから手を離すと、強い意志をもってルルーシュへと振り返る。
「ゼロ、ご命令を!」
「……」
ルルーシュは向かい合った私の顔を凝視する。本当にいいのかと問いかけるような視線に挑むように、にらみ返すようにルルーシュの目を見る。そして、ルルーシュの表情に、今まではあのゼロの仮面に隠されていたはずの不適な自信に満ちた笑みが浮かんだ。
「カレン、ナナリーを救出するぞ!」
「はいっ!」
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跪求这段的有爱翻译,谢谢!
這文太有愛了
連這麼懶的我也會翻譯(雖說這網址是我貼在ppg的[/TX] )
「你有膽就開槍打我吧!打我身上這流體SAKURADITE!」
「你這混旦!」
原本是同學,好朋友的兩人在對視著。朱雀一動也不動地把槍口對著zero……不,對著魯路修。明明是朱雀只要把手指屈曲數cm就能奪去zero性命的狀況,但我卻因為受到太大衝擊而一直沒有將這光景當作現實去接受。
待續
應該會持續更新:o