2006/11/16 (Thu)
6時起き。晴れ。道路が濡れている。空気が冷たい。朝食を食べて書斎へ。メール等をチェックする。Yabさんから「事実かどうか不明だが、ネットに石川賢さんの訃報が流れている。何か知らないか?」という問い合わせがあった。むろん、知らない。あわてて調べる。かなり信憑性の高い情報だと感じた。
8時に永井豪ちゃんに電話した。留守電になっていたので、事情を話し、事実なら連絡してほしいと吹きこんだ。9時に豪ちゃんから電話。訃報は事実だった。きのうの22時、病院で死亡が確認された。甲府のゴルフ場でラウンド終了後、入浴し、酒宴の席で倒れたという。救急車ですぐに病院に運ばれたが、間に合わなかった。
電話のあと、執筆に入ろうとした。だが、頭がまったく働かない。かなり動揺している。それならということで、整形外科に行き、牽引治療を受けてきた。10時40分に帰宅。なんとか心が落ち着いた。書斎に戻り、ようやく執筆に入った。多摩サイ走行はキャンセルした。
14時過ぎ、豪ちゃんから電話。詳しいいきさつを聞いた。倒れたのは、宴席ではなかった。夕食時の酒量はひじょうに少なく、その後カラオケに行った。賢ちゃんは1曲歌ったあと、ソファに腰かけていて、いきなり前のめりにぱたんと倒れたらしい。
店の人がすぐに救命処置を施し、救急車を呼んだが、その時点でもう心肺停止状態だった。病院で調べた結果、身体に異常なし。血管の塞栓、脳内出血、狭心症などの兆候は皆無であった。いわゆる原因不明の突然死である。いっさい前兆のない心臓麻痺で、死因は急性心不全となる。
電話を終えたあと、しばらく言葉がなかった。ため息しかでてこない。浮かんでくるのは「残念」という一言だけだ。いまのところ、それ以外に言いようがない。本当に残念だ。
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石川賢(いしかわ けん、KEN ISHIKAWA、本名:石川賢一、1948年6月28日-2006年11月15日 )は、日本の漫画家。
栃木県那須郡烏山町(現?那須烏山市)生まれ。代表作に『ゲッターロボ』『魔獣戦線』『虚無戦記』『極道兵器』などがある。
バイオレンス描写をメインに、異世界?異次元?異形のモチーフを大胆なマンガ的表現で描く一方、繊細にして神経質な絵の描写にも定評がある。SF映画や仁侠映画からの影響も多いが、引用を越えて石川賢風にアレンジしているゆえか、それ自体作品世界観として成立している。作品モチーフはスペース?オペラ、ヒーローロボット、時代劇?忍術、任侠、ゴルフなど多岐に渡る。
1969年、ダイナミックプロに参加。永井豪のアシスタントとしてダイナミックプロに入社する。恐らくはアシスタント会社でなく、作家集団を志向していた永井豪のダイナミックプロへの考えと彼の実力が一致したのだろう。実際に永井は、「弟子などと思ったことは一度もない。戦友であり、友であり最大の味方である」と語っている。(石川の単行本『神州纐纈城』1巻あとがきより)
2006年11月15日、山梨県内の病院にて心不全のため死去。享年58。